第4話 ししゃものシークレット☆ポシェット

ボンジュールにゃん!☆




今日もニャンタウンから

お届けするニャン!








さてさて、茶トラんですが

ハムスターカフェChuーChuーチューチュー

くつろいでいます。






茶トラんは、

先ほど注文していた

ドリンクをひとくちすすり、

にゃ~!

やっぱり、またたび村栽培の高級無農薬茶
なごむニャ~!

と、両目を糸のように細めながら

心の中でつぶやいていました。



そんなご満悦な茶トラんを尻目に、

雲隠れしていた

ハムスターのししゃもは、

お店の角のすみっこに

たたずんでいました。



周囲に背を向けて、壁の方を向き、

何やらモソモソとしている様子です。




茶トラんは、お茶を飲んでいましたが、

そんなししゃもの様子に

気がつきました。




そして、

ししゃもが何を

こそこそとしているのか

気になりましたので、

そーっとししゃもに

近づいて行きました。




茶トラんは、一定の距離をおいて

ししゃもの背後からそっと

のぞいてみました。


見るとししゃもは

自分の肩からさげた

ピンク色のポシェットの中に

小さな手を入れて、ゴソゴソと

探し物をしている様子です。



茶トラんは、何を探してるニャ?と

興味津々で

さらに2、3歩近づいて行きました。



すると、ししゃもは、

茶トラんの気配に気づき

はっ!! ” と、なりました。

 

そして慌てて茶トラんの方を振り返り、

開いていた自分のピンクのポシェットのふたを

バサッと閉めてしまいました。

ししゃも、

そのポシェットには何が入ってるニャン?

茶トラんがたずねると

ししゃもはピンクのポシェットを

ギュッと胸に抱きしめて

こう答えました。

・・・・・・あると思えばあるっちゅ。

ないと思えばないっちゅ!

???

茶トラんには

ししゃもが何を言っているのか

意味がわかりませんでした。




なので、茶トラんは

笑顔でもう一度

話しかけました。

さては、ひまわりの種が入っているニャ~?

すると、ししゃもは

すかさず答えました。

・・・事実というものは存在しないっちゅ。

存在するのは解釈だけだっちゅ!!

にゃっ!? ( ゚Д゚)

茶トラんは

驚きを隠せませんでした。



可愛らしいししゃもが、

そんな、哲学みたいな

返答をするなんて!

し・・・ししゃもは、

とても難しいことを言うニャンね・・・。(^▽^;)

茶トラんは、ちょっと

苦笑いです。


すると、ししゃもは

こう続けました。

これは、ハムスター哲学者ニーチュが言った

名言だっちゅ!

・・・ハムスター哲学者?

ニーチュ??

茶トラんは、目をぱちくり

させました。

どうやら『ニーチュ』というのは、

ハムスター世界では

有名な哲学者のようです。




ししゃもはそう言うと、

おもむろに

自分のピンクのポシェットに

手を伸ばしました。




そして、中から

ハムスターサイズ

とても小さな小さな本

1冊出して、

茶トラんの肉球の上

そっとのせました。

・・・この本、貸してあげるっちゅ!

そう言うと、ししゃもは

ピューっと走り去って、

またどこかに

隠れて行ってしまいました。





茶トラんは、

ししゃもがいなくなったテーブル席で、

ししゃもが貸してくれた

小さな小さな本を

自分の肉球の上にのせたまま

ぼうぜんとしていました。





すると、

店の奥から店猫さんが

再びやって来ました。





そして、

茶トラんの肉球の上にのっている

ハムスターサイズの

小さな小さな本を見て

こう言いました。

それは、ししゃものお友達のしるしニャンですよ~!

そう言われると、

茶トラんはもう一度

ししゃもが貸してくれた

小さな小さな本を見て

少し、ほほえみました。

そうニャンか~!

お友達のしるし・・・ニャンか~!

どうやら、ししゃもは

茶トラんとお友達に

なりたいと思ったようです。


店猫さんの言葉を聞いて、

茶トラんの心は

ほっこりと暖か~く

なりました。

☆次回へ続くニャン!☆

ニャンタウン☆ひとコマ劇場/

第4話 ししゃものシークレット☆ポシェット

物語 & イラスト   胤-あい-

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